北岳 冬季 2泊3日 単独 2017.12.24〜
【12.18】
5:55 夜叉神
7:23 鷲住山 ~1:28
8:45 鷲住山下降完了 ~1:22
9:30歩き沢橋 ~0:45 夜叉神→2:50
★休憩 0:37
10:07 吊尾根取付
12:10 1.720m ~2:03
★休憩 0:17
12:27 登山再開
14:09 池山 ~1:42
14:24 池山御池小屋 ~0:15 歩き沢橋→4:00
★休憩 0:40
15:14 登山再開
16:24 2.300m ~1:10
★ワカン装着及び休憩 0:13
16:37 登山再開
17:31 城峰 ~0:54 池山御池小屋→2:04
21:30 就寝 ~3:59
合計時間 11:26(行動 9:59 休憩 1:27)
【12.19】
3:30 起床
6:11 城峰
9:12 砂払 ~3:01
★休憩 0:32
9:44 登山再開
10:53 ボーコン沢の頭 ~1:09 池山小屋→4:10
13:36 八本歯の頭 ~2:43
15:08 分岐 ~1:32
★休憩 0:29
15:37 登山再開
16:30 北岳山頂 ~0:53
23:38 城峰(山頂~城峰間 休憩×3?それぞれ恐らく0:15~0:30)
1:38 就寝 ~2:00
行き合計時間 10:19(行動 9:18 休憩 1:01)
帰り合計時間 7:08( ※詳細不明)
【12.20】
6:38 起床
9:00 城峰
18:38 夜叉神(城峰~夜叉神間 休憩×9?それぞれ恐らく0:15~0:30)
合計時間 9:38(※詳細不明)
やってやりました!
単独・冬季・北岳。
しかも恐らく今季初⁉
毎度のことですが、山行中は殆んど人に出会いません。
アプローチで歩き沢橋に出てきた下山中の2人組に出会い、下山中に池山御池小屋より少し登ったところをアプローチする2人組に出会ったのみでした。
失敗のあの日から...念願叶いました!
時期的に雪の状態や量が心配でした。
降雪の期間を考えると踏み抜き地獄では...
アップ用に用意したスマホは案の定、低温の為ダウン...
掲載写真一枚のみなります。
残念です...
身内用にデジ一眼は機能してくれたため山頂付近で自撮り。(PC未環境の為UP困難)
ちなみに気温は夜叉神~山頂間で0c°~-18c°を場所や天候により変動。
残念ながら-20c°は下回りませんでした。
2.800m、3.000m越えたあたりから明らかに体感温度が変わりました。(3.000m以下ではmax-14c°でした)
イメージとしては顔中の毛という毛が凍りつきました。鼻毛とかも凍ります。
思い返せば2016年4月。
登山経験も浅く、オッさん達が行けるなら大丈夫との無知と甘い認識のもと見事にしっぺ返しを喰らい惨めな敗退...池山小屋より重い荷物を背負い引き返してきました。
5月、食料及び泊数変更で挑戦するも池山小屋にて敗退...
どーしたら成功出来るのか?
以後、念頭には北岳が常にありました。
歩荷、ランニング...。
日々怠ることは登れないことの裏返しと地道にトレーニングしてきました。
11月、水6ℓ担ぎ雪舞う初冬の北岳を踏むことに成功しました
勇み12月、砂払まででタイムアウト...撃沈。
かわって2017年3月、イけてるお兄さんに引いてもらいボーコン沢の頭まで...お兄さんがあっと言う間に小さくなり...自分とお兄さんを比較検討した結果、体力と行動食に不安を覚え判断はタイムアウト。
翌週、今季最後と挑戦するも身体の不調と長大なルートに加え思いの外ザックの重量を感じ不安が拭いきれず鷲住山頂上付近にて幕営後敗退...無念。
そして12月...
トレーニングはしてきた...
装備、イメトレには2週間かけた。
20m×8mm セミスタティックロープ。
ハーネス400g以下のアルパイン冬季対応のもの。
懸垂用にスリング必要数(スリングは流れ止めやギヤラックとして兼用)、ルベルソ。
バックアップはシャント。(プルージックコードを予備)
ナイフブレード1枚。
スノーバー1本。
ワカン・クランポン・アックス
アックスについてはハンマーのみ。
トリグレストは外す。
テープ類には撥水処理。
トレッキングポール(スノーバスケットに換装)
衣類は防寒・防風・幕営・就寝時との兼ね合いにて考えました。
濡れに強い中綿入り化繊の上下を一式。
ビレイジャケット用に厚手のダウンJKTが一枚。ダウンパンツやダウンシューズは除外。
ハードシェル上下。(ダウンJKTについてはハードシェルの上より着用を考え、裏まで撥水処理。)
メッシュアンダーS/S、メッシュアンダーブリーフ、メッシュアンダータイツ、化繊薄手L/S、厚手ロングウールソックス。
(予備として化繊中厚手L/S・肌着・ソックスそれぞれ1枚)
化繊中綿入りミトン・分離型グローブどちらも目止め撥水処理。
(分離型はインナーに厚手のウールを選択。ミトンにはハードシェルとしてゴアウインドストッパーのアウターを用意)
2ℓ・チタンクッカーと380mℓ・チタンマグは蓋無し。それにチタンボウルとミニ軽量漏斗・クッキングペーパーを加え水作り。煮炊きはガソリンストーブ(燃料は557mℓ)にて。
ガソリンストーブは暖をとったり濡れものを乾燥させるのに重宝します。
※ガソリンストーブは使い方を覚えれば、夏山の降雨の際にもテントや濡れものを乾かせ非常に重宝します。もちろん暖をとるにも最高です。
行動時の水分補充用にガスカートリッジストーブ(p-115改48g+ウルトラガス×1)を用意。2種類のストーブはお互いのストーブのトラブルの予備としても兼用。
アプローチ及びアタックにおいてはテルモス(500mℓ)・プラティパス(1ℓ)を用意。水補充はガスカートリッジストーブを使い、雪より水作り。
テントは所謂3シーズン・2人用のもの。
パック時の扱いと幕営準備の手間を考え竹ペグなど十時ペグは除外。
アライの夏山で使う軽量な物を使い捨てとして予備を含め12本用意。
予備・防寒対策として同 #7。
マットはサーマレスト・ソーライト。
マット予備・防寒にZライト・ショート。
他に気温計やサングラス、emergencyなど各種生活小物。
食料は以下。
朝 : 298g/593k ×2
行動食 : 296g/1.343k ×3(アタック時の予備として同+1)
夜 : 317g/773k ×2
アプローチ(水 500cc、湯 500cc)
アタック(アプローチと同)
帰り(水 1.000cc、湯 500cc)
山行毎に吟味してきた結果、万全・最良と思われる準備をしました。
トータルウェイト21.690g(ザック込み、アプローチ時)工夫とお金をかければまだまだ軽くなる筈...
が、しかし...
アタック日、写真にある場所より吹雪きはじめすぐにホワイトアウトとなり視界は不明瞭となりました。
昼前、農鳥・間ノ岳に暗い雲がかかり始めるの確認し、嫌な予感はありました...
一瞬、撤退?の二文字が頭をよぎりました。
今回こそは何としても意地でも山頂へ。
天気や体調などを理由に引き返せば、どんなに惨めな気持ちになるだろう...
何度もにせピークや踏み抜きにウンザリしながら人工物を発見した瞬間...
「××××ー、」絶叫しました。
2017.12.19.16:30 登頂
踏み跡の無い山頂、視界は360°不明瞭。
感慨もなく記録用に自撮りを済ませ下降を開始する。
夏道見失い、長野側へ下降している事に気づき冷や汗...
フロントポインティング及びシングルダガーポジションにてトラバース...
八本歯以降の雪稜は夜間で視界も効かず、日中の吹雪により踏み跡も不明瞭となりルーファイに難儀しました。
延々と続く踏み抜き地獄の中、幕営地である城峰を目指すしました。
19:00頃、越えても越えても現れるピークや雪稜にウンザリしその場へ仰向けに...
岩と雪、漆黒の闇に浮かぶ満天の星空...
非現実的な荒涼とした風景に宇宙にいるような既視感を感じました。
ボーコン沢の頭まで歩かれた方、踏み跡いただきありがとうございます。
積雪より初めてとボーコン沢の頭まで行かれた方の苦労が偲ばれます。
行きはお陰でルーファイせずに助かりました。
残念ながらアタック日は予想外の悪天候でした。昼前より吹雪出しホワイトアウト。行きはともかく、帰りは難儀させられました。
八本歯は補助ロープ等の人口物は使わず拍子抜けするほどあっさり抜けられました。よって登攀系ギアはただの重りとなりました。しかし、さらに積雪が増えて凍りつきMIX化すれば厄介な場所になるのでは...
下山にあたって吊尾根以降、発電所付近の下降や鷲住山の登り返しを思うに奈良田から林道歩きするのもうなづけます。
夜叉神からのルートで失敗を繰り返していたのでこちらからのルートにあえてコダワリ続けていました。
【反省(ギア編)】
①アタック時に用意したチタンマグを忘れる。
おかげで17時間行動の中、まともな水がテルモスの450mℓだけになりました...
ガスストーブの水補充システムが使えずプラティパスの水は凍りつき魔法瓶(安売りしてるサーモスで山専ではありません。保温効果はともかく中の水は凍りつかず助かった。)の水を騙し騙し飲み、道端の雪を口に含み水分を吸い出していた。
→持参ギヤ・使用内容によっては生死を分かつ危険がある。出発前に行程の確認及び持参ギヤの指差し確認の重要性を改めて感じる。
②アタック時にトレッキングポールを持参しなかった。
持参するか迷ったが、必要なくなった時に500gは後々苦痛になるのでは?と置いてきてしまった。おかげで50cmのアックスでは支えにならずラッセルの際にどんなに苦労したか...
イメージが足りなかった。漠然と森林限界以後はアックスではと思い込んでいた。
→ミックス帯なのか?雪稜なのか?状況判断。マニュアルを鵜呑みにしない。場合によってはトレッキングポールを携帯し行動時間の短縮とする。
【反省(実践編)】
①城峰に幕営。
ひっちさんの小さな看板付近に幕営。幕営地は丸く盛り上がり、どんな格好でもテント内で体がズリ下がる。
私はトレーニングと位置付て良しとしたが、城峰手前の急登終わりの方がよほど幕営適地だったと思います。
実践アタックしてみて思ったが砂払(森林限界)までは幕営地を上げないと帰りが辛い...
砂払より先は適地多数であるが森林限界のため、防風対策を怠らない必要あります。
②夏道をイメージして漫然と歩く瞬間があった。
悪天・ラッセルにより削られ、集中力の低下。視界不明瞭の中、要所要所にて現在地の確認のみで満足してしまいました。分岐後すぐに山頂かと思いきや、いつまで経っっても山頂に着かず苦しみました。その事もあり下山時は夏道に注意して歩いていましたが、?なところで勘に頼ったところ長野側に下降し始めており、一瞬の雲の切れ目より夏道が再確認出来たから良いようなものを手遅れになっていたらと思うとゾッとしました...
今回のように吹雪いた後だと踏み跡(踏み抜き)は嘘のように無くなりました。
通常なら夜間とはいえ踏み跡や周辺地形・山容などを参考に下山します。
踏み跡は消え、夜間においてはヘッデンの灯りの届く距離にも限界があり、周辺の地形や山容も分かりづらくなります。ボーコン沢の頭前後のように雪稜が続く場所だと支尾根に迷い込み登り返しを繰り返す恐れがあります。
注意深く観察し怪しければ登り返しを厭わずなんとか無事に帰営できましたが運が良かったとしか思えません。
→雪稜・ピーク毎に竹竿・赤布(カラーテープ)など目印を作る。具体的には要検討。
【今後の変更点】
全行程の詳細な地形図の用意。
ウレタンマットレスは1枚減により304g減。
シュラフのシステム変更。以下
モンベル 800 #1 952g + シュラフカバー 220g ( + 化繊綿入り上 273g 下 236g ) = 1.172g ( 1.681g )
→ モンベル サーマルシーツ 380g + サバイバルシート 88g + (ダウン上 477g ) 下 265g ・シューズ 199g
=932g ( 1.409g + 化繊綿入り 509g = 1909g )
※ 結果
☆△240g システム重量減並びに#1 シュラフによる嵩張りの減となる。持参する化繊綿入りを新システムにインナーとして活用すれば+228g保温増となる。
☆仮に今回のシステムより#1を除外し、ダウン下・シューズを携帯した場合488g減となり数字上+228g保温増となる
☆シュラフカバー使用による頭周りのシュラフとのズレの煩わしさより開放される。
☆シュラフのボリューム減のため口元の結露が減。